『ハル』 [本(その他)]
ロボットを主題にした、短編集。
現代の科学の知見に基づいて、ハードなSFを描く作者。
ロボットについては、単に最新のロボット工学をとりあげるだけでなく、ロボコンといった、ロボット工学を志す学生の動きや、ロボットに対峙する人間の心理に関する洞察など、社会状況なども含めて、リアルに描いている。
私は、ロボットといえばアトム、という世代ではないため(TVに馴染んだのが同世代より若干遅かったというのもあるが)、アトムに対する特別な思い入れを軸に進む物語は、実感を十分伴ったものではないが、それでも現代日本人とロボットのある種独特な関係の中に自分もいるのは感じる。
今後、ロボットがロボットたりえるのか、思いをめぐらせる一冊。
★★★★
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