『丕緒の鳥』『図南の翼』 [本(その他)]
十二国記の、待ちに待ったオリジナル短編集、そして、シリーズの中でも私が特に好きな(といっても、どの話も好きで、甲乙つけがたいですが)『図南の翼』。
短編集は、シリーズの本筋が王と麒麟を中心に追うのに対し、その国の中で生きる民を描く。こういう、民の物語と被さって、王と麒麟の物語はあるのだ、という作者の吐露なのであろうか。
『図南の翼』は、他の話の中でも出てくる珠晶が、登極する物語。豪商の家に生まれ、不自由なく暮らしていた少女が、すべてを投げ打って、昇山する。その過程を描きつつ、何が彼女を突き動かしたのかを少しずつ説いていく。そして、内心、そんなことはないと思っていた少女が王に選ばれると知ってとった行動とは・・・
それはそうと、『東の海神 西の滄海』のエントリが漏れてる・・・? 最近、blogが飛び飛びになってるからなぁ・・・
★★★★★
『食堂つばめ』 [本(その他)]
ぶたぶたシリーズで人気の矢崎存美の新作。
主人公がある日迷い込んだ食堂車。そこで食べた玉子サンドが忘れられず、生と死の境にある奇妙な街に迷い込んでしまう。そこで、食堂車でも会った謎の女性、ノエに、主人公は食堂を始める提案をする。不思議な街の食堂つばめ。そこを訪れる客は・・・
ぶたぶたのイメージが強すぎる作者ですが、他の作品もなかなかいいと思います。これもそう。
しかも、シリーズ化するみたい。続きが楽しみです。
★★★★
『真夜中のパン屋さん』 [本(その他)]
ドラマ化もされて、注目の作品のようなので、手にとりました。
都会の真ん中、夜中だけ営業するパン屋に居候することになった希実。パン屋を手伝いをしていると開店前の店に、少年がやってきて堂々と万引きをして出て行く。慌てて追いかける希実だったが・・・
と、パン屋とそこを巡る事件のお話。
そもそもの希実自身の問題というか事件というか、それ自身は物語の背景として解決しないまま終わってしまうが、これはシリーズ化する前提でそういう伏線なんだろうか。でもまあ、パン屋と希実を結びつけた縁は解き明かされて、そこは綺麗に纏められている。
続きも読みたいけれど、積読もいっぱいあるしなぁ。
★★★★
『幻想郵便局』 [本(その他)]
『整理HACKS!―1分でスッキリする整理のコツと習慣』 [本(その他)]
『中の人などいない@NHK広報のツイートはなぜユルい?』 [本(その他)]
NHK広報局の公式アカウント、@NHK_PRの、その始まりと今までを、東日本大震災の前後を含めて、「中ノ人」が書いた(多分)ノンフィクション。
冒頭の、企業アカウントのセミナーの話とか、経緯を含めていろいろ面白おかしく書いているし、そういうところは楽しく読める。
一方で、企業広報のSNSアカウントのあるべき姿を考え続けていることや、最初から何もかも判ってやっているのではなく、試行錯誤しながら、それでもなるべくブレないように考えているところなど、真摯なところも伺える。
東日本大震災の時の悩みや対応の決断などは、涙を誘う面もある。
正確なところは覚えていないけれど、私も比較的早い時期から@NHK_PRはフォローしていて、この本を読みながら、折々のことを思い出したりしました。
このアカウントにいちゃもんをつける人もいるし、オープンな場なのだから批判されるのもやむを得ないけれど、私はこのアカウント、結構好きです。
★★★★★
『風の万里 黎明の空 十二国記』 [本(その他)]
十二国記はどの話も好きですが、この『風の万里 黎明の空』は特に好きだなぁ。
そんなわけで、何回目かの再読ですが、わくわくしながら読みました。
陽子もそうですが、みんな完璧な人間じゃない。弱いところ、駄目なところがあり、人に嫌われたり憎まれたりする。しかし、きっかけがあれば人は変われるし、変わるのに遅すぎるということはない。
そうして、彼女たちは助け合い、よい国を作るために、力を合わせる。
そうしてクライマックスのカタルシス。面白い。
7月1日にはオリジナル短編集『丕緒(ひしょ)の鳥』が出るそうで、楽しみです。
★★★★★
『風の海 迷宮の岸 十二国記』 [本(その他)]
『月の影 影の海 十二国記』 [本(その他)]
ホワイトハート版でも講談社文庫版でも読んでいるのだが、新潮文庫から再刊したため、再読。今後もシリーズすべてと、新作も出るらしいので期待。
「魔性の子」の時も書きましたが、今後の展開を知った上で読み進めるからでしょうか、最初に読んだときの、やりきれないほどの苦しさは、楽俊の登場への期待にすりかわり、そういう意味では抵抗感がなく読み進められました。でも、この、楽俊に出会うまでの苦しさがあっての後半なので、この前半の苦しさははずせません。
ところで、なんとなく楽俊に出会うまでがひたすら苦しく、その後は明るい展開と思っていましたが、再読すると、楽俊に出会ってもなかなか不信、猜疑心から抜け出せない陽子が描かれていて、この辺が十二国記のすごさのひとつなんだろうなあ、などと感心しつつ、読みました。
次の『風の海 迷宮の岸 十二国記』の発売も近いようで、楽しみ。
★★★★★
月の影 影の海〈上〉 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)
- 作者: 小野 不由美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1992/06/20
- メディア: 文庫
月の影 影の海〈下〉 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)
- 作者: 小野 不由美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1992/07/20
- メディア: 文庫
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『魔性の子 十二国記』
『ぶたぶたカフェ』 [本(その他)]
今度のぶたぶたは朝食だ!
というわけで、「ぶたぶたカフェ」、朝食とランチを出すカフェが今回のぶたぶたの舞台。昼はぶたぶたのお店、夜は別の人のバー、というお店。その夜の店で働き始めた主人公を軸に、物語が展開します。
しかし、最近のぶたぶたは、食べ物ネタが多い気がしますねー。おいしそうだからいいけど。
★★★★★
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ぶたぶたシリーズ~『ぶたぶた日記』他
『ぶたぶたのいる場所』
『夏の日のぶたぶた』
『クリスマスのぶたぶた』
『ぶたぶたと秘密のアップルパイ』
『訪問者ぶたぶた』
『再びのぶたぶた』
『キッチンぶたぶた』
『ぶたぶたさん』『ぶたぶたは見た』