『さみしいうさぎ』 [ライトノベル(少女)]
『さみしいうさぎ』 (ヴィレッジブックスedge (E-イ1-2))
- 作者: 飯田 雪子
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2008/02
- メディア: 文庫
飯田雪子の新作。
熱愛ではないけれど、暖かな気持ちで結ばれていた菜月と峻。しかし、峻が実家の喫茶店を継ぐために故郷に帰り、二人は遠距離恋愛の関係になった。そして、菜月が出会ったリュウセイという青年。女性を抱きしめるアルバイトをする彼と、菜月は次第に親しく話をするようにする。峻も、気負いなく話ができる友人は大事だと言ってくれた。
しかし、いくら電話で話しても、菜月には峻に会いたい気持ちがつのるばかりだった。
主人公も物静かな性格で、激しいドラマは無いけれど、登場人物の感情を丁寧に書いている。主人公の恋人の峻は、遠距離恋愛ということもあって出番が少なく、電話の声が多い。その感情の見え無さが、主人公が感じる心の距離や不安をうまく出している。
感動の名作、という作品ではないけれど、静かに萌える炎のような小説。
★★★★
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