『砂の城の殺人』 [ミステリー]
アルバイトをしては、殺人事件に巻き込まれる女子高生・倉西美波。
今回は、写真撮影の手伝いをした所、写真家の廃墟となった実家で、昔、行方不明となった母を探すところにつき合わされることに。そこで起きる殺人事件とは。
ライトノベル・レーベルから創元推理文庫に引っ越してきたシリーズの新作。
本格指向なところもありながら、ライトノベル・レーベルで始まったシリーズらしい、コージーミステリー風味を合わせ持つ。それゆえのキャラクターのちぐはぐさもあるかな。主人公・美波は探偵役でもワトソン役でもなく、どちらかというと、狂言回し。今回の事件でも、アルバイトでミス連発、事件に出くわしても騒いだり、犯人の仕掛けに躍らされたりと、いいとこなし。
謎解きは、主人公の友達が行って行くのだけれど、当たりもあればはずれもあり。はずれの部分は別の友人が、知り合いの大学生(ボーイフレンド候補?)が、真相を解き明かす。
まあ、推理の当たり外れ、というところでは自然な感じだけれど、読んでいて、結局正解がどうなのかよくわからなかった。謎解きの部分にメリハリがないのかなぁ。
という感じで、指向する所は好みにあっているのだけれど、今ひとつこなれていない気がする。ライトノベル的なところと、本格なところと、二つの側面が互いに良さを打ち消しあっている感じがする。難しい所だね。
★★★
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