『老ヴォールの惑星』 [本(その他)]
SFらしさ満載、ですね。
投宮刑という刑罰(?)をモチーフにした、ミノタウロス伝説を連想させる『ギャルナフカの迷宮』と、事故で、ある未開の惑星の広大な海(というか、海しかない)を漂う男を描く『漂った男』は、特に小川一水らしさを強く感じた。
表題作『老ヴォールの惑星』は、ホット・ジュピターの知性体を描く、ちょっと異色な作品。SFとしては全然異色でもなんでもないが、小川一水の既刊本からすると、こういうのはちょっと予想外だろう。
『幸せになる箱庭』は、また別の意味でSFらしい作品。結末をどう取るかというのは、人の好みもあるだろうが、私は釈然としないながらも、その部分まで含めて、SFらしさを感じた。
★★★★
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