『全滅なう』 [ライトノベル(少年・総合)]
十文字青の作品を読んだのは多分2作目なんですが、ちょっと風変わりと言うか、独特のテイストのあるものを書く人ですね。ネットでお薦めされて手に取りました。
優等生の天川は、自分の評価をさらに高めるため、引きこもりの不登校児、大日向夕鶴子を登校させようとする。そして、それに成功するが、大日向が不登校だったのは、実はある理由があるのだった・・・
まあなんというか、ファーストラヴストーリー、ですね。
全滅因子、とか、ファンタジーな登場人物とか出てきて、なかなか癖のある展開をしますが、それはそれであって、結局のところ、初恋の物語。
そのワンステップ、ワンステップが丁寧に描かれていて、読者を引き込みます。決して、ラノベのテンプレート、ステレオタイプに頼らず、しっかりと書いているのがいい。
結末に向けて、怒涛の展開というか、急展開してそこまでのじっくりと腰をすえた展開からするとちょっと急すぎてもったいないかな、と思いますが、全体としてよく出来ていると思います。
★★★★
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