『異星人の郷 上・下』 [SF・FT]
友人の勧めで読んだSF。発売時から気にはなっていたが、友人の勧めに背中を押された。
中世の中央ヨーロッパに不時着した異星人の船。異星人という概念さえない地球人と、地球人の思考が理解できず、形而上の思考と実在の文物の話の区別を誤解する異星人。単に文化のギャップを描くだけでなく、中世の人々の思考様式を描くことにより、現代人と中世の人のギャップをも描き出している。
そして、コミュニケーションギャップによりわずかな望みをつなぎつつも病に倒れ、帰郷の望みも薄れていく異星人。最後にはわずかな可能性にかけることになる。
話のつなぎに未来の科学者のエピソードが出てくるが、これは私にはどうにも余計な気がした。
入れるなら、もう少しうまく入れて欲しかったなあ。
★★★★
コメント 0