『旧宮殿にて 15世紀、ミラノ、レオナルドの愉悦』 [ミステリー]
『旧宮殿にて 15世紀、ミラノ、レオナルドの愉悦』 (光文社文庫)
- 作者: 三雲 岳斗
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/01/10
- メディア: 文庫
『アスラクライン』の三雲岳斗の非ライトノベルの小説。謎解きものなので、ミステリなのだろうか。
ミラノの宰相ルドヴィコやらによって持ち込まれる謎を、才媛チェチリアとともにレオナルドが解く、という構図で進む連作集。
レオナルド・ダ・ヴィンチが、天才肌のおじさん、という感じではなく、天才肌だが付き合いにくい、個性ある人物として描かれているなど、漠然とした一般のイメージを崩すような描き方は、ちょっと意表をつかれた感じがした。
消えた絵画、監禁状態から失踪した女性など、不可解な事件を鮮やかに解くとともに、(当時の)最新の科学的知見を活かしているあたり、天才科学者・レオナルドという存在を活かしたミステリになっているといえるのではないか。
なお、本書以外にもシリーズ作品があるようなので、そちらも読んでみたいが、まだ本にはまとまっていないのかな? 少なくとも文庫にはないようだが・・・
★★★★
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